
“国内屈指のビッグクラブである浦和レッズはJ1リーグを1回とAFCチャンピオンズリーグを2回、Jリーグカップを2回、天皇杯全日本サッカー選手権大会を3回制覇したことがあります。そのなかでも最高の瞬間といえるのはJ1リーグ優勝と2度のAFCチャンピオンズリーグ優勝でしょう。
浦和レッズがJ1リーグで優勝したのは2006年です。この年は主力選手として闘莉王や三都主、長谷部など代表クラスの選手を多く揃えていました。さらに最前線にはワシントンとポンテという強力なブラジル人が攻撃を牽引しました。くわえて欧州から小野が復帰した影響もあり、開幕前から注目度が高かったです。開幕から調子が良く、しっかりと勝ち点を積み上げて中盤には首位に立ちました。そこから一回もその座を明け渡すことなく最終節に2位のガンバ大阪との直接対決を迎えます。有利な条件下でしたがブラジル人アタッカーのゴールでこの試合をものにして、J1のシャーレを手にしました。
続く2007年には初めてAFCチャンピオンズリーグに出場します。初出場ながらグループリーグは1位で突破し、準々決勝でディフェンディングチャンピオンの全北現代と対戦します。この試合を4対1の大差でものにすると、そのまま準決勝の城南一和、決勝のセパハンに勝利しました。グループステージから無敗の優勝は史上初の快挙です。日本勢がアジアを制したのは1999年にジュビロ磐田が前身の大会で優勝して以来であり、日本のサッカー界にとって大きな出来事となりました。人気はあるのにタイトルが少ないことを指摘されることが多かった浦和だけに、この優勝は最高だったに違いありません。
次の歓喜は10年後、2017年のAFCチャンピオンズリーグです。グループリーグは上海上港とFCソウルという強豪と同組になりましたが、4勝2敗の首位で突破しました。6試合のうち3試合で4点以上を獲得するなど、攻撃力が目立っていました。決勝トーナメントに入ってからは拮抗した試合になります。1回戦の済州ユナイテッド戦は延長戦で逆転し1点差で勝利します。準々決勝から決勝までの3試合も1点差でものにして、優勝を決めました。3試合ともも後半にゴールを決めて逆転するドラマチックな展開であり、優勝を決めた瞬間は無上の喜びを感じたことでしょう。2010年代に入ってから、JリーグのクラブがAFCチャンピオンズリーグで勝てていませんでした。その状況を悲観する声が日本のサッカー界に渦巻いていただけに、浦和レッズにとっては価値のあるタイトルとなりました。”