
日本のサッカーのクラブチームには、創設から長い歴史を持つクラブがたくさんあります。横浜F・マリノスもそんな歴史のあるクラブの一つですが、このチームはどのような歴史を歩んできているのでしょうか。
横浜F・マリノスの前身は、1972年に創設された日産自動車サッカー部です。1974年にヤンマーディーゼルサッカー部から加茂周を日本で初のプロ契約監督として招き、本格的な選手の強化にとりかかるとメキメキと頭角をあらわし、1979年に当時の日本のクラブチームによるリーグの頂点であった日本サッカーリーグ(JSL)の1部への昇格を果たしました。
JSK1部昇格後は1981年シーズンに前年下位チームの自動降格が適用されたために2部に落ちていたものの、それ以外のシーズンでは1部在籍を維持しました。特にJSL末期には、1988-89年シーズンにリーグ戦・カップ戦・天皇杯の全てに優勝して三冠を達成、翌シーズンにはリーグ戦で連覇を達成するなど無類の強さを見せました。
日産サッカー部は1992年に「横浜マリノス」となり、前年に新設されたJリーグに加盟しました。翌年のJリーグ初年度では5月15日のリーグ開幕戦でヴェルディ川崎と対戦して勝利しましたが、通年では10チーム中の4位で終わりました。初のJリーグ優勝は1995年シーズンで、1stステージの優勝チームとしてチャンピオンシップに臨み優勝を果たしました。1998年には当時経営問題が浮上していた横浜フリューゲルスの吸収合併をサポーターらの猛抗議の中で決定し、Jリーグ理事会の手続きを経て承認され、1999年2月に現在のチーム名「横浜F・マリノス」となりました。
現在のチーム名となってからの初めてのタイトルは、2001年のカップ戦です。リーグ戦は不振を極めて下位に沈みましたが、カップ戦では強さを見せて優勝を勝ち取りました。2003年シーズンは元日本代表監督を招聘し、他チームから当時の現役代表選手をはじめとして実力のある選手を複数補強することに成功したことが功を奏し、1stと2ndの両ステージを制して完全優勝を果たして、翌2004年のシーズンもチャンピオンシップを制して連覇を達成しました。2005年以降はリーグ戦では中位に甘んじるシーズンが多い一方で、2013年に久々に天皇杯を優勝してリーグ戦でも2位に入り、2019年にはJ1リーグで15年ぶりにタイトルを獲得しています。創設されてからの歴史が長いですが、国際大会での優勝は1992-93年のアジアカップウィナーズカップ以来無く、AFCチャンピオンズリーグなどでのタイトル獲得が期待されています。