
安部裕葵は、2017年に鹿島アントラーズしたところからサッカー選手としてのプロキャリアをスタートさせ、ルーキーシーズンから鹿島アントラーズの貴重なスーパーサブとして勝利に貢献していきました。
決して恵まれた体格というわけではありませんが、細かなステップから繰り出されるドリブルや瞬発力で相手を翻弄し、2017年の夏に行われたスペインの強豪クラブであるセビージャとの試合では途中からの出場にもかかわらずチームを勝利に導くアシストを記録して瞬く間に注目を集めていきました。2018年の12月に開催されたクラブワールドカップでは得点を決めたり素晴らしいパフォーマンスを見せ、2019年に開催されたコパ・アメリカでは若手有望株としてA代表デビューも果たすなど、10代からインパクトを残していった彼のキャリアは伝記として語り継げるほどです。日頃のJリーグでの活躍に加えて、こういったクラブワールドカップやコパ・アメリカのような国際試合での活躍が評価されたことが、バルセロナBへの移籍に繋がったといえます。
バルセロナBに加入後はトップチームのトレーニングにも参加し、練習試合やプレシーズマッチなどではゴールをマークするなど順調な滑り出しを見せましたが、怪我にも泣かされてなかなか思うような稼働率には至っていません。日本でのポジションは、主にサイドハーフやトップ下が主戦場でしたが、バルセロナBではそれだけじゃなく最前線のトップを任されるなど、プレーの幅も少しずつ広がってきています。
安部裕葵の1番の強みはキレのあるドリブルで、時間やスペースが限られるアタッキングサードの局面でも自分の技術を遺憾なく発揮することができます。さらにアジリティの面でも違いを見せられるプレーヤーで、静止した状態からの1〜2歩で相手を置き去りにすることができるので、そこからの打開力でチャンスメイクや得点に繋げることも可能になります。特に左サイドからドリブルで縦に仕掛けたり中にカットインしていくのが得意で、プレーの中でシュートやパスの選択肢を変えたりもできるので、相手からしたら読みにくく対応が難しいプレーヤーといえます。
また、上手さだけではなくパンチ力も兼ね備えていて、中にカットインしてからの強烈なシュートも持っているので、使う監督からしてもこれほど有り難い存在はいません。クラブワールドカップのグアダラハラ戦で見せたカットインからの強烈なシュートは世界中にインパクトを与え、この1発がスペインへの移籍に繋がったといっても過言ではありません。