
日本人のプロサッカー選手である冨安健洋は、東京五輪日本代表のセンターバックとしても重要な役割を担いました。アビスパ福岡に在籍していた冨安健洋は、その活躍が認められてベルギー1部のシントトロイデンに移籍しましたが、そこでも抜群のパフォーマンスを継続し、それが高く評価されてイタリアセリエAに所属するBolognaへの移籍を実現させました。Bolognaでは、身長188cm・体重84kgという恵まれた体格を生かしたディフェンダーとしての能力だけではなく、スピードや攻撃的な能力も評価されたことから右サイドバックも務め、最後尾からのビルドアップやサイドでの上下動でもチームの中で圧倒的な存在感を示していました。アビスパ福岡ではボランチ、日本代表やシントトロイデンではセンターバック、Bolognaでは右サイドバックを任されていたように、複数のポジションを高いレベルでこなせる点は彼の大きな強みといえます。セリエAでの活躍が評価された冨安健洋は、イングランドプレミアリーグの名門であるArsenalへの移籍を果たし、スタメンデビューを飾った第4節の試合から圧倒的なパフォーマンスで瞬く間にArsenalの中でも評価が高まり、ファン・サポーターの心を掴んでいきました。開幕から3連敗スタートだったArsenalも彼が加入したと同時に勝ち始め、その貢献度の高さは既にクラブの中でも欠かせない選手の1人として評価されています。
冨安健洋を失うことになってしまったBolognaは失点が増え始めていて、いかに彼の存在が大きなものだったかをクラブ幹部やメディア、ファン・サポーターも痛感している印象ですし、多くのメディアからも「冨安は黄金の選手。監督にとってなくてはならない選手」という絶大なる評価を獲得していただけに、彼を失ってしまった損失は多大なものであったといえます。
Arsenalでのキャリアで最高のスタートを切った冨安健洋は、日本代表の未来を担う存在としても期待されていて、現時点でも最終ラインの要で圧倒的なパフォーマンスを見せています。恵まれた体躯を生かしたエアバトルや豊かなスピードを生かした対人・カバーリング能力、攻撃面においても確かな技術でのビルドアップ能力やサイドバック起用時のボールの運び方など、今までのディフェンダーの常識を覆す現代型プレーヤーとしての凄みを感じさせ、2022年に開催されるFIFAワールドカップでも大きな活躍が期待されています。