
日本のサッカー選手のレジェンドと言えばやはり釜本邦茂です。現在はJFA顧問ですが、元々は日本代表のエースとして活躍していました。1968年のメキシコ大会では史上初の銅メダルを獲得していて、7ゴールを奪って大会得点王に輝いています。アジア人初得点王なのでアジアの中でも最高峰の選手と言えます。
251試合出場、通算202得点、通算79アシストという経歴は素晴らしく歴代フォワードの中でも圧倒的な成績を残しているのが特徴です。体格にも恵まれていて、当時の日本人では珍しい大型のフォワードでした。180cm近い身長と抜群のフィジカルを生かしてボールをキープし、反転してシュートを打つというのが得意なスタイルです。
本人はゴールを決めるためには「止めて蹴るだけ」と語っているのですが、簡単に見えてとても難しいプレーです。相手はフォワードにシュートを打たれたくないので体を寄せてきますし、足を伸ばしてブロックしようとします。これをかいくぐってゴールを決めるのはプロでも非常に難しいです。しかし釜本邦茂はこの難しいプレーを正確に行うことができます。基本中の基本と言えるプレーですが、実はこの基本が出来ていない人が多いです。
釜本邦茂は基本を何度も練習していて、試合で勝手に体が動くくらい反復しています。ボールを止めてシュートを打つのはシンプルなプレーですが、相手からすると嫌なプレーです。ドリブルだけではゴールを奪うことは出来ないですし、良いバスを通してもシュートを決める選手がいないと得点にはならないです。サッカーは得点を奪わないと勝つことは出来ないスポーツなので、得点を奪う能力に長けた選手が必ず必要になります。
勝つために一番大事な役割を担っているのがフォワードであり、フォワードの能力が高いチームは得点力が高いので勝利する確率も高いです。日本は得点力不足が課題になることが多いですが、過去を見ると釜本邦茂のような素晴らしいゴールハンターが存在していました。現代サッカーでも得点力のある選手は重宝されますし、試合を決定付けることが出来るのでチームに一人は欲しいところです。
現在の日本代表には釜本邦茂のような圧倒的なエースストライカーは存在しません。技術的に優れている、スピードがあるプレイヤーはいますが、最終的にゴールを奪うことが出来るプレイヤーは不足しています。釜本邦茂のような圧倒的な得点力のあるエースストライカーを育てるのが今の日本の急務です。